業務用製氷機の分解洗浄と衛生管理|頻度・自店の範囲・依頼の目安

トーキョーアポロメンテナンス

 

製氷機は、厨房の中で最も「動いていて当たり前」と思われている機械のひとつです。ところが庫内をのぞいてみると、氷を落とす通り道にぬめりが出ていたり、扉のパッキンに黒い汚れが付いていたりすることがあります。氷はそのままお客様の口に入るものですから、ここは冷蔵庫や食洗機とは事情が違います。この記事では、業務用厨房機器の修理・メンテナンスを行うトーキョーアポロメンテナンスが、製氷機のどこが汚れるのか、自店でできる清掃と分解洗浄の線引き、頻度の決め方を整理してご説明します。

氷は「食品」——製氷機は食品に直接触れる機械

まず前提の確認です。食品衛生法第4条第1項は、その本文で「この法律で食品とは、全ての飲食物をいう。」と定めています。氷も飲食物ですから、法律上は食品です。そして同条第4項は、食品に直接接触する機械を「器具」と定義しています。製氷機はまさにこれに当たります。

厚生労働省は、「令和3年6月1日から、原則として、すべての食品等事業者の皆様にHACCPに沿った衛生管理に取り組んでいただくことになりました。」と案内しています(出典:厚生労働省ホームページ「HACCP(ハサップ)」/2026年8月時点)。飲食店営業もこの対象です。その土台となる一般的な衛生管理について、食品衛生法施行規則の別表第十七(第六十六条の二第一項関係)の「三 設備等の衛生管理」ロには、次のように定められています。

「機械器具及びその部品は、金属片、異物又は化学物質等の食品又は添加物への混入を防止するため、洗浄及び消毒を行い、所定の場所に衛生的に保管すること。また、故障又は破損があるときは、速やかに補修し、適切に使用できるよう整備しておくこと」

つまり、洗うことと、壊れたら直すことは、同じ項目の中で並んで求められているということです。汚れを落としても直らない状態が続くなら、それは清掃ではなく整備の領域だと考えてください。

製氷機で汚れがたまりやすい4か所

1. 貯氷庫(氷をためておく部屋)

いちばん見えていて、いちばん見落とされる場所です。低温なら菌が増えないと思われがちですが、冷たいだけでは汚れは落ちません。扉の開け閉めのたびに厨房の空気が入り、そこに含まれる油分やほこりが庫内に入っていきます。パッキンの溝、氷をすくうスコップ、スコップの置き場は、実際に汚れが出やすい場所です。

2. 製氷部(水が循環する部分)

水をかけながら凍らせる仕組みのため、水が触れる面はぬめり(バイオフィルム)が出やすい場所です。ここは扉を開けただけでは見えず、部品を外さないと確認できません。「庫内はきれいなのに氷に味やにおいがつく」という相談では、この内側が原因になっていることがよくあります。

3. 給水・排水の経路

給水側はフィルターの詰まりやスケール(水に含まれるミネラル分の固着)、排水側は溶けた水が流れる管の汚れとぬめりが出ます。排水がうまく流れないと、庫内に水が残って一気に不衛生になります。床が濡れている場合は排水経路を疑ってください。詳しくは業務用製氷機の水漏れ|床が濡れる原因と排水詰まりの対処法で解説しています。

4. エアフィルターと放熱部

ここは衛生というより能力の問題です。空冷式の機種は熱を外に逃がしていますが、フィルターがほこりで目詰まりすると熱がこもり、氷ができる量が落ちます。「氷が間に合わない」という相談で、フィルターの清掃だけで改善するケースは実際にあります。厨房の中でも揚げ物のそばに置かれている機械は、ここが早く汚れます。

自店でできる清掃と、分解洗浄の線引き

自店で回せる範囲

▶ 作業の前に、まず電源を切る
庫内を洗うときも、エアフィルターや部品を外すときも、先に電源スイッチを切り、電源プラグを抜いてから始めてください。水まわりの作業を通電したまま行わないことが大前提です。

▶ 毎日
スコップは使い終わったら洗って乾かし、庫内に置きっぱなしにしない。扉のパッキンを拭く。

▶ 週に1回程度
貯氷庫の氷をいったん使い切ってから、庫内を洗って乾かす。

▶ 月に1〜2回程度
取り外せるエアフィルターを外して、ほこりを落とす(頻度は取扱説明書の指示に従ってください)。

施行規則の別表第十七には、食品に接触するおそれのある器具は「汚染又は作業終了の都度熱湯、蒸気又は消毒剤等で消毒し、乾燥させること」ともあります。スコップはまさにこれに当たります。日々の手順の組み立て方は閉店後5分でできる厨房機器のお手入れルーティンもあわせてご覧ください。

分解洗浄が必要になる範囲

部品を外して洗う必要があるのは、主に水が循環する製氷部と、給水・排水の経路です。ここは庫内を拭いても届きません。庫内はきれいなのに氷ににおいが移る、氷の形が崩れる、洗っても数日でぬめりが戻る——こうした状態は、内側に汚れが残っているサインと考えてよいでしょう。取扱説明書に自店で外せる部品と手順が書かれている機種もありますので、まずはそこを確認してください。

避けたほうがよいこと

▶ 指定外の洗浄剤を使う
金属部品や樹脂部品を傷めることがあります。取扱説明書で指定された洗浄剤と手順に従ってください。洗浄剤を使ったあとは、指示どおりにすすぎ、最初にできた氷は廃棄します。

▶ 高圧洗浄機やホースで水をかける
電装部に水が入ると、汚れを落とすつもりが故障を作ることになります。

▶ 冷媒(ガス)や電装に関わる部分に手を入れる
ここは清掃ではなく整備の領域です。無理に外すと元に戻せなくなり、修理費用が上がります。

洗浄の頻度はどう決めればよいか

「何か月に1回」と一律に決められるものではありません。まず取扱説明書に書かれた頻度が基準で、そのうえで店ごとの条件で前後させる、という考え方が現実的です。次の条件に当てはまる店ほど、間隔は短くなります。

・氷の使用量が多い(回転が速い=水の通る量も多い)
・揚げ物の近くなど、油煙が回りやすい場所に置いている
・厨房の換気が弱い、機械のまわりに物が置かれている
・地域の水質や、浄水器の交換時期が影響している
・夏場で庫内の開け閉めが増える時期

そしていつ・誰が・どこを洗ったかを記録に残すことをおすすめします。HACCPに沿った衛生管理では実施したことの記録が求められますし、記録があると「前回からどれくらい空いたか」が分かり、頻度を見直す材料にもなります。日常の管理全般は厨房機器を長持ちさせる日常メンテナンス5つの習慣で扱っています。

洗ってもよくならないときは故障を疑う

清掃で解決しない症状は、機械側に原因があります。次のような状態が続く場合は、洗浄より先に点検をご検討ください。

・清掃してもすぐぬめりが戻る(給水経路や部品の劣化)
・氷ができる量が明らかに減った(業務用製氷機の氷ができない・少ない原因
・本体の下や周囲が濡れている(製氷機の水漏れ・排水詰まり
・運転音が変わった、いつもより長く動き続けている

先ほどの別表第十七のとおり、故障や破損があるときは速やかに補修することも衛生管理の一部です。氷の品質に関わる機械なので、「まだ動いているから」と先送りしないほうが結果的に安く済みます。厨房全体の水漏れの見分け方は厨房機器の水漏れの原因と応急処置にまとめています。

点検や分解洗浄をどこに頼むかで迷う場合は、厨房機器の修理業者の選び方|失敗しない5つのチェックポイントもあわせてご覧ください。見積もりの取り方や、依頼前に伝えておくと話が早い情報を整理しています。

分解洗浄・修理のご相談はトーキョーアポロメンテナンスへ

トーキョーアポロメンテナンスは、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県で業務用厨房機器の修理・メンテナンスを承っています。製氷機についても、分解洗浄と点検・修理をあわせてご相談いただけます。24時間365日の受付で、営業中の急なトラブルにも対応します。

また当社は他社で断られた修理にも対応しています。部品の供給が終わった古い機種でも、部品の製作や改造で使い続けられる場合があります。「買い替えしかない」と言われた方へもあわせてご覧ください。メーカーを問わずお受けしますので、まずは機種と症状をお聞かせください。

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